2012年05月22日

豆本の為の本文作成の考察(1)

豆本をはじめて作り始めた頃、その作り方の参考とするのに、ネット情報や書籍等はほとんどありませんでした。
けれど豆本は本に違いないので、製本の書籍を参考にして作っていました。

家には製本の古い書籍がありました。
7版発行が昭和55年となっていますから、わたしが20歳の頃に買ったものだと思います。
(歳がバレる?(笑))
ちょうど美大の学生の頃です。
当時わたしは絵本作家になりたかったのですが、その試作としてまずは自作でもしてみようということで、これらの書籍を購入したのだと思います。

絵本作家の夢は、絵があまり上手く描けない、才能がなさそうだと自分でわかったので、やめておきましたが、やはり本というものが好きで、本そのものを作ってみたいという気持ちは、ずっとわたしの中にありました。
そして今、趣味として豆本づくりをしています。

 

さて、前置きが長くなってしまいましたが、これらの参考書籍は、充実した素晴らしい内容で、本の形態を作り上げるには、とても優れた書籍です。
ですが、本文の作り方/印刷の仕方などについての記述がありません。

本に於いて一番肝心なのは、内容(本文)です。
内容(本文)のないものは、本とは言わずノートでしょう?

豆本づくりをはじめた頃、本文折丁の綴り方、まとめ方、表紙付けなど、の方法はネットでもみつけることができましたし、豆本の作り方の書籍も、少ないながらも何冊か入手できました。
ところが、そのどこにも本文の一からの作り方がなかったのです。
世の中には一生かかっても読みきれないほどの書籍が発行されています。
なのに、その書籍の一からの作り方の情報が少ないのはどうしたことか?
本作りというのは、専門家の仕事で門外不出、あるいは企業秘密なのだろうか?

さぁてどぉしたものか?
本文(内容)そのものがなければはじまらないし。。。
はじめは、本文を白紙しておいて、とにかく本の形態に仕上げることからやってみましたが、出来上がったものを見れば、わたしにはノートにしか思えませんでした。
わたしはちゃんとした文章の読める本(豆本)が作ってみたかったのです。

文句を言っていても一向に進展はないので、それなら自分で試行錯誤するしかない!、と開き直りました。
(わたしは開き直りが得意です(笑))

とにかく本文には文章が必要です。
わたしには文筆の才能などなさそうなので、まずは既存の作家の文学作品の豆本を作ってみようと思いました。
文学でも音楽でも絵画でも、何にでも作品と呼ばれるものには、著作権というものがあります。
それぞれの分野に於いて、著作権は微妙に異なりますが、とにかくそれらを利用するのには、作者の許可が要ります。
ことに現在は、ネットの繁栄で違法コピーなどの著作権侵害は国際問題にもなっていたりして、その扱いが非常に厳しくなっています。

豆本作成においても同様です。
本来著作権は、作者の許可なく一切の複写はご法度で、たとえそれが私用目的に於いてさえもです。
ですがありがたいことに、著作権には権利期限というものがあって、文学作品の場合、作者没後50年を経たものについては、日本では著作権が消滅する(切れる)法律になっています。

著作権についてはいろいろと難しいこともあるので、このぐらいにしておきますが、とにかく著作権切れの文学作品を用いて豆本をつくってもよいということです。
それらを集めて、公開/配布しているのが青空文庫です。
ここには、多くの文学作品があるので、まずは短めの文章を選んで本文テキストとすることにしました。

わたしは豆本をPCで作成しています。
本文ももちろんPCを介してプリンタで印刷します。
そのためには、本文はテキストのデジタルデータになっている必要があります。
青空文庫にはいく種類かのデジタルデータ(電子書籍)がありますが、その中の「テキストファイル」をダウンロードして使います。

ところがこの「テキストファイル」には「ルビ」が含まれており、豆本には不要のものです。
豆本なので、本文文字サイズも非常に小さく、ルビなどはあっても判読できないためです。
テキストファイルをメモ帳などのテキストエディタで開いてみるとわかりますが、ルビの箇所には

東《ひがし》の空《そら》

のように、《》に囲まれたふりがなが記述されています。
いささか面倒ですが、このルビを取り除く処理をしなければなりません。
けれど上の例のような簡単な読みならば、ふりがな(ルビ)はそれほど必要ないとも思いますが、次のような

三嶋神社《みしまさま》の角をまがりてより是れぞと見ゆる大厦《いへ》もなく、
(樋口一葉「たけくらべ」より)

というようなことになりますと、ふりがなはあったほうが親切というものです。
こういう場合はそのまま《》内のルビを残します。
ルビを残すかどうかは、自分を基準にしています。
わたしはあまり漢字が得意なほうではありませんので、自分基準でよろしいかと?(笑)

テキストエディタによるこういう修正処理は、非常にめんどくさいものですが、よりよい豆本をつくるためには、手間を惜しみません。
青空文庫などのテキストデータを利用する他には、実際の書籍をスキャナで取り込み、テキストデータに変換するソフトウェアを用いるという方法もありますので、各自のやりやすい方法ですればよいと思います。
テキストエディタによっては、便利な検索機能やマクロ処理ができるようになっているものもありますので、それらを賢く利用すれば、手間もだいぶ軽減されます。
(わたしは「秀丸」というテキストエディタを愛用しています)

このようにして、まずはテキストデータを準備することから、本文づくりがはじまります。
オリジナルで文章から自作する場合にも同様です。
ここまでの処理は本文に文章がある場合の豆本には不可欠なものとなります。

今回はここまで、後日(2)につづきます。


posted by 吉祥 at 15:20| Comment(0) | 本文づくり
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]